他人事ではない

最初は、たいてい‘他人事’。

認知症セミナーで、話を聴きに来て下さる方の話です。

親の認知症だったり、ケアマネで普段接している利用者さんの認知症だったりで、少しでもよくしてあげられれば…。わざわざセミナーを申し込むくらいなので熱意はまちがいなくあっても、誰か他のこととして、話を聞き始めることが多い。

でもその一気に流れを変える一文を、ご紹介します。

代表的な認知症であるアルツハイマー病は、症状が現れてから診断を受ける15~20年前、普通は40歳頃にひっそりとはじまる。自覚症状がないまま、静かに病気は進行していく。当然、本人も周りの家族も気づきようがない。そして、60歳頃に症状が現れたときには、病気はすでに、末期にさしかっている。(実際の診療では、この段階は「早期」と呼ばれている。)

『アルツハイマー病 真実と終焉』(デール・ブレデセン著)

発刊後、著者の元に世界中から関係者が訪れる‘リコード法現象’を巻き起こした画期的な認知症改善プログラムであるリコード法の解説本の、冒頭の一文です。

私は2018年2月に日本語訳が出て初めて読みましたが、冒頭の文章を読んで、やばい…!とヒヤッとしたのを覚えています。毎日口にしているものが20年後の私の暮らしを形づくるんだな、と焦りました。ただ脅すだけではなく、どうすれば予防しうるのかの科学的なヒントがあふれているのがこの本の素晴らしさです。

私はこの本を読んで、認知症や精神疾患は、栄養改善によって科学的に予防・改善できるんだということを学び、本格的に栄養を学ぶ方向に舵を切りました。医師としての方向性を変えてくれた、重要な本の一冊です。

話を聴いて頂いている方にも、ぜひ一緒に焦って頂きたい!と思っています。介護家族の方にしろ、医療介護職にしろ、40-60歳台の年齢層に含まれる可能性が高いので。のんびり他人事して構えている場合じゃないよ、なにか一つでもいいので、生活をよりよくするためのチャレンジをしてほしいな、と思っています。いつかではなく、今日から。60歳を10も20も過ぎている方でも、もう遅い…とがっかりすることはありません。今日が一番若い日です!

外来でこられた女性の方が、帰り際に「ブログ、楽しく読んでいます。」と声をかけて下さいました。とても励みになり、嬉しかったです。ありがとうございます^^

【今日の昼ごはん】@クリニック

ちくわのきゅうり・チーズ巻, 目玉焼き2つ, インドカレー,ブロッコリ, しゃぶしゃぶ肉, 牡蠣スープ

お世話になっている治療院の社長さんが、酔っぱらってちくわを1万円分ネット注文してしまったようで、お裾分けでちくわをたーっぷり頂きました。岐阜のちくわは穴が大きいので、キュウリ1本丸々穴に入る!!!ご馳走さまでした。