早期認知症ならば、劇的な改善が望めるリコード法。
すごい!!!!と興奮しますよね。私も興奮しました。
でも、このリコード法にも、いくつかのハードルがあります。
【リコード法の課題3つ】
- お金がかかる
- 進行してしまうと効果に限界がある
- 食習慣をかえられるか?
(1)お金がかかる
リコード法では、個別性を追求したアプローチをします。屋根にあいた36個の穴のどれがあいているかは人によって違いますから、徹底的に検査でそれを調べるのです。健康診断や保険診療の範囲で確認できる検査項目もありますが、自費診療でないと調べられない項目も多くあるため、保険診療に比べ高額な負担になってしまうのです。
目安)初回の診察と検査で10~50万、その後サプリメントが月に数万
お金の話になると「うーーーーん…」と一気にテンションダウンされてしまうことが多いのですが、知り合いの経営者男性(かなりロジカルに判断するタイプ)に話した時には、
「そのくらいで済むなら、高くないですね。」
彼いわく、初期段階でアプローチをすることで改善し、引退するはずだったのに働いでお金を稼ぐことができる期間が延びるのであれば、100万単位の投資をゆうに回収できると。確かにそういう考え方もできますね。また認知機能低下を食い止めることができれば、介護保険の保険料、介護施設入所の利用料などの将来的なコストも削減できます。
(2)進行してしまうと、効果に限界がある
リコード法の恩恵をもっとも受けやすいのは、おそらく予防~早期までです。
アルツハイマー型は、40歳頃から脳内で誰にも知られない状態でじわじわと変化が起き始めて、15-20年という時間をかけて進行していきます。家族が「なにかおかしい?」と気づく時期は、臨床的には早期とされますが、本の言葉を借りれば「症状が現れたときには、病気はすでに末期」なのです。そう言われたってあきらめないくらい大切な存在だから、それでも動かざるをえないのが家族なのですが。
(3)食生活をかえられるか?
金に糸目はつけない!という方であっても(笑)まだまだ越えなくてはならないハードルがあります。
食事です。
以前の同窓会で認知症の話題になった時。(アラフォーの同窓会は、こんな話題に花が咲く…)
私が‘夢の治療 リコード法’の話をすると、同級生が目をキラキラさせて食いつきましたが、
「糖質を極力ひかえて…」
と言った瞬間、さーーーーーっと皆の興味がひいていくのがわかりました。(露骨すぎw)
糖質にどっぷりつかっている状態から脱するって、本人の変わりたい!という気持ちがなければ絶対達成できません。
アラフォーでも難しいことが、70歳台、80歳台でできるのか…?
同居して子ども世代が3食を提供するならともかく、夫婦2人で暮らしていて、子ども世代が心配しながら離れて住んでいるとなると、子どもと言えども食生活をコントロールするのは無理ゲー…。
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以上、リコード法にはだかる3つの壁のお話でした。
期待を高めておいてがっかりさせるのか…と思われてしまいそうなのですが。
私自身は、オーダーメイドの洋服と既製服の違いで、この問題をクリアしたいと考えています。
オーダーメイドの洋服は、どこからどこまで自分の体にあっていて、もちろん質が高いことは間違いありません。リコード法はこれです。
でも、自分だけのために作られた訳ではない既製服だって、捨てたものじゃない。今すぐ自分が「どの穴があいているのかわからない」のであれば(それを見極める検査の費用がまかなえないなら)、まずは思いつく限り多くの穴をふさぐ努力をする!
いまの日本で、ほとんどの方にとって大きな穴になっているのが、糖質過剰、タンパク質不足の食生活。鉄やミネラル、ビタミン不足も、思い当たる節は沢山あります。これは高額なお金をかけずに行える、でも最も効果が高い穴の埋め方。
多くの方にとってあいていると思われる穴を、根気づよく埋めていく。自費診療メインのクリニックではない町医者がやれることを、今日もこつこつとやっていこうと思います^^