数年前から気管支喘息で通院されている20歳代の女性。
最近になって、以前から不定期な下痢に悩んでいると相談されました。
一日中腹痛が続いたり、冷や汗をかきながらトイレに座っていたり。
症状に波があり、ひどい時には3日に1回くらいあると言うのです。
いわゆる‘過敏性腸症候群’のような症状。過敏性腸症候群は、下痢が心配で各駅停車の電車にしか乗れない方もいることから「各駅停車症候群」という俗称があるほど。生活に支障をきたすことは間違いありません。
標準医学では、大腸カメラで炎症性腸疾患でないことを確認した上で、便の硬さを調節するポリフルやイリボーという錠剤で経過を見ることになります。あくまで対症療法です。
この本をまとめた資料をお渡しし、「グルテン過敏の可能性もあるから、一定期間グルテン除去をしてみては?」と提案したのが、昨年12月のこと。
グルテンは腸に炎症を起こした結果、過敏性腸症候群のような消化器症状を起こすのに加え、リーキーガット症候群(腸に小さな穴があいて異物が入りやすくなる状態)からアレルギー症状を引き起こします。気管支喘息もここからきているとすれば、どちらも改善する期待がもてます。
そしてつい先日の外来。
「喘息の発作はなく、落ち着いています。
それから先生が言うようにパンとパスタをやめてみたら…めったに下痢をしなくなったんです!」
おーーーーーー。
本当にやめてみたんだ~♪と実践してくださったこと、それによって長年の悩みが解決したことの両方で、こちらまで幸せな気持ちになりました。
たまーの楽しみでパスタが食べたい!という時には、iHerbというホームページで、こんなグルテンフリーパスタもあるよ~と情報提供。
私も生クリームをあえてクリームパスタにしてみましたが、もっちもちで美味しかったです。
うれしい報告を頂いたその日、その患者さんも妹さんも当院を受診されました。
「階段をのぼっただけで息切れでフラフラする…」
こちらは重度の鉄欠乏でした。
栄養欠乏は、私たちが思っている以上に日本中に蔓延しています。
お近くに慢性的な下痢などの過敏性腸症候群のような症状でお困りの方がいれば、ぜひぜひ教えてさしあげてくださいね。薬なしで、生活の質がグーンとあがりますから♪