専門分化の落とし穴

生活リハビリの
オンライン講座
24時間分を視聴し
心はハルキストですww

入浴の会での
三好先生の教え


分業にするなかれ。

効率化を目的に、
施設の入浴介護を
分業化することの弊害。

服を脱がせる担当。
体を洗う担当。
出て体を拭く担当。

「分業化することで
仕事が面白くなくなる。」と。

目の前のお年寄りが
一人の人間でなく
ベルトコンベアー上の
ジャガイモに見える…
そんなイメージでしょうか。

****

分業化の落とし穴は、
医療にも通じます。

「単純作業じゃない!」

専門医の先生に
怒られそうですが。

====

ミクロにフォーカスしすぎて
マクロの視点を失う。

====

誤嚥性肺炎で入院した方。

「肺炎治療」にフォーカス。
これは当然に思える。

肺炎で入院したから。

主戦力は抗生剤点滴。

夜中に点滴を自己抜去すると
すぐに手を縛られます。

食事をむせようものなら
すぐに絶食に。

肺炎クリティカルパス
2週間コースで
治療を完了するため。

でもねマクロの視点で
見るとどうか。

「肺炎治療は何のため?」

元気になって、
家でおいしくご飯を食べたり、
散歩を楽しむため。

だとすると…

手を縛った結果
寝たきりになり、
オムツになって、
認知症が進行したら。

「家で元気に過ごす」という
ゴールから、どんどん離れていく。

肺炎にフォーカスしても
寝たきりになると
誤嚥性肺炎の再発率があがる。

少々むせたからと
すぐ絶食にすると、
栄養状態が悪化して、
免疫が落ちる。

免疫低下は即!
肺炎の悪化因子になる。

唾液分泌も減り、
口腔内の自浄機能が落ちて
次の肺炎につながる。

いま治療を全うしようと
行うことが、
何か月後の肺炎再発の
誘因になっていないか。

ついでに絶食にしない方が
入院期間が短縮し
口から食べられる状態で
退院できる確率も上がる。

いま行っている医療行為が
その方の人生に、中長期的に
どう影響するか。

マクロ視点で
プラスとマイナスを秤にかける。

手を抑制して点滴を続けるより、
内服に切り替えて
さっさと家に帰った方が
この方にとってプラスかもとか。

正解は目の前のその人ごとに
きっと違う。

そういう視点をなくしたら、

クリティカルパスに乗せる患者
=ベルトコンベアのじゃがいも

になってしまうのかな。

自戒をこめて。