8/3~8までクリニックも夏休みを頂いています。
念願の宮古島旅行!!!のはずが…
ご存じの台風襲来によりキャンセルに。
気持ちを切り替えて、プランBによる夏休みをエンジョイしていきます。
沖縄・九州の方、どうぞご無事でいて下さい。
先日大塚先生の『「精神病」の正体』という本をご紹介しました。
これに対して現役の臨床心理士の方からメールを頂きました。
「何でも薬で治るんだ、薬がいるから病気なんだと誤解を持たれることが懸念されます。」
「不安や緊張で苦しい思いをしているからそれを薬で消すというのはとても乱暴な発想です。」
という内容でした。
不安や緊張が生じる環境を理解し、相互理解を深め、コミュニケーションをスムーズにしていくことが
ご本人や周囲の生き辛さの解消に役立つのだと。
誤解を招いては申し訳ないので一応補足をさせて頂きます。
まず最初に、大塚先生は「なんでも薬で治るんだ」とは一言も言っておりません。
しかし薬を適切に使うことで症状が大きく改善するというケースを紹介しています。
星野仁彦先生の本「私は発達障害のある心療内科医」の中でも、そのような著効例が少なからずあることをはっきりと書かれています。
子供の発達障害では大脳皮質の厚みが20-40%薄いけれど適切な薬剤投与により通常の厚みに戻ると。
投薬により長くても3年内服することで薬を卒業できるとも書かれています。
成人においても、薬を飲むようになり
「キレて子供を殴らなくなった」
という著しい改善例を聞くと、安易に薬にたよるなと言うことが果たして正解なのかと疑問を感じます。
「脳の伝達物質が不足していたその人と補充して現れたその人と、
どちらが本当のその人なのか。」
星野先生もこう提起されていますが、キレて子供を殴っている父親を、あるがままでいいとは…誰も言えませんよね。
環境による工夫をされても改善されずに、悩んだ末にやっとのことで受診に至る人が多いと思うのです。
行動の背景にある本人の想いを想像すること。
疾患の特性を社会に啓もうし、受けいれられる社会をつくること。
これは長期的にはとても重要です。
ただ…これには年単位の時間がかかるのです。
夫のDVやギャンブルに振り回されている家族は一日一日が待ったなしで切羽詰まっています。
これはピック病患者さんの暴力でも一緒です。
薬か環境調整かの2択ではなく、使える手はぜんぶ使う。
総力戦でいかざるを得ません。
精神科的な薬への抵抗感をもつことは、人として自然な反応だと思います。
不適切な‘薬漬け’を見てきたコメディカルの方が精神病薬の使用に対して反発心をもたれるのも、やむを得ないのかもしれません。
でもだからこそ、精神科領域のコメディカルの方には一度は先入観をとっぱらい、フラットな状態で
この本を読んで頂きたいなと思います。
ADHDの方に接している臨床心理士の方の言葉は、患者さんの行動を左右する重みがあるので。
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発信者ご本人もADHD、途中で登場する女性医師もADHDで、とても説得力があります。
(ADHDらしくハイパー早口!最初は2倍速なのかと思いました笑 頭の回転よすぎです)
勇気を出して問題提起をして下さったHさんに、心から感謝しています。
わが家のプランBは、那須へのショートトリップでした。
夕焼けに浮かぶ山の稜線が、すごく好きです。
とんぼが沢山いて、肩や頭にとまってくれました^^
すてきな夏をお過ごしくださいね。