●R6年1月21日(日)
寒いので、おでんが美味しい季節ですよね。特に大根とこんにゃくが大好きです。
一緒に焼いた肉は、育ち盛りの子どもがハゲタカのようにさらっていきました。
先日読んだ本『迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から』(平山亮)
この本を読んで、これまでの自分の頭の中でごちゃごちゃっと一括りにされていた‘介護’という作業が、少しだけ整理された気がしました。
自宅での介護というと、どのような行動が頭に浮かびますか?
たとえば高齢のお父さんに、ご飯を作って食べるのを手伝ったり、風呂を入れて時に体を洗ったり、トイレに行くのに付き添ったり時にオムツをかえたり、洗濯をしたり…などでしょうか。
ただこれらの作業は、実は2つが混ざっているのです。
「生活をまわすための家事」と「新たに加わったお世話」の2つ。
前者は、食材をスーパーに買い出しに行って食事を作ること、風呂を洗って湯を張ること、洗濯をすること。これらは、もちろん介護されているお父さんにとって必要なことなので、広く言えば‘介護’に入れられていますが、(同居している場合には)同時に介護者である息子さん自身が生活をするのにも必要な行為が含まれます。
そして後者は、食事を介助したり、お父さんの体を洗うのを手伝ったり、お父さんのオムツをかえたりという狭義の介護です。
男性介護が難しいのは、女性に比べて男性介護者が「これまであまり家事をしてこなかった」場合に顕著です。独身の息子さんで母親と同居…という場合、お母さんが元気なときには、息子さんが結構な年齢でも身の回りのこと一切を引き受けているケースが多いです。息子さんも日中仕事をしていて、それはそれで悪いことではないと思いますが。
このお母さんが急に倒れて介護が必要になった時が問題です。
『家事をすべて母にやってもらっている→自分と母親の家事+母親のお世話をする』
家事をやってもらっていた立場から、突然自分と母の2人分の家事をやってあげる立場に。
2つの重しがドーーーーーンと息子さんの両肩に乗るのですから、大変でないわけがありません。
これは息子ではなく夫でも同様です。高齢の夫だと、ここから新たに家事を覚える…という新環境への適応という部分のハードルが上がります。それが無理!となった場合には、夫婦2人で家での生活を続けたい場合には、介護者である子供さんは、介護が必要になった母と、家事が何もできない父という両者をサポートする必要が生じます。
息子介護者は知力体力の面でまだ有利である一方で、「仕事をしながら」これらに対処するという…どちらにしてもハードルが高いことは間違いありません。
これが女性介護者でたとえば主婦であった場合には、前半部分である「身の回りの家事」はこれまでもやっていたことです。もちろん母の分の家事も加わるので仕事量は増えますが、これまで全くやってこなかったことを突然一からやらなくてはいけない!というのに比べれば、環境変化が小さいです。
本の中でもう一つ気づかされたことを。
結婚している息子が、離れて住む実の親を一人で通いながら介護している場合。
こういうケースでは、離れて住んでいることもあって「嫁は介護をしていない」とみなされがち。でも実は、介護者である息子が介護に労力を注いでいる分、息子自身の家事は、妻が家でこれまで以上に多く引き受けているケースも多くあり、この辺りのサポートは過小評価されがちだということ。もし妻がいなければ、息子は2つの家の家事を掛け持ちしなくてはいけない状況になるので。この辺りの見えにくい協力に気づいて感謝できるかどうかは、今後の夫婦関係に影響しそうですよね( ´艸`)
家事能力は、一日にしてならず。
「男の介護教室」は、予備軍で家庭に余裕があるうちに始めておいた方がよいと、あらためて思いませんか。
主催者である河瀬先生も「実際に介護が始まってみると、なかなか参加できなくなったから、事前に参加しておいてよかった。」という参加者の声を紹介していらっしゃいました。