道具は愛情

おはようございます。

この1ヶ月怒涛のイベントラッシュでしたが、無事にひと段落してほっと一息。

ここからはいよいよ、リコード認定医の資格取得の勉強に専念します。

今日はさくっと読める小技をシェアします。

耳が遠い高齢者と接するご家族・医療介護関係者は、ぜひお試し頂きたい!

 

耳が遠い高齢者は少なくなりません。

少々なら耳元で大きめの声で話すだけでいけますが。

難聴の程度が強いと、自分の大声でこっちの頭が痛くなる笑

外来での会話に苦戦する私に、この春仲間になってくれたベテラン看護師の青木さんが

「これどうぞ。」

とこれを作ってくれました。

もしもしフォン♪

その辺にあったクリアファイルを、くるっと丸めてセロテープで止めただけ。

はいはい、と何の気なしに使ってみたら…

結構難聴が強い方でも

「おー聞こえる聞こえる。」

大声で叫ばなくても、きちんと会話が成立するように!

ご家族も

「こんなもので、よく聞こえるんですね!」

と驚いて、すごーく喜ばれるんです。

それならどうぞとその場で差し上げてしまうので。

当院のもしもしフォンは、現在5こ目?6こ目?

青木さんが、せっせと新製品を作ってくれます。(作成時間 10秒くらい笑)

ラップの芯でもOKですが、クリアファイルの方が軽いし、径が大きくて使いやすい気がします。

 

耳が遠い方との会話は、毎日のことなのでお互いにとって意外とストレス…。

どうせ聞こえないからいいか、と最低必要なこと以外は会話を省力しがちで。

家庭内での会話が少なくなりがち。

他の家族はふつうに会話する中で、口に出さなかったとしても、ご本人は孤立感を感じているかもしれません。

今回の件であらためて感じたのは…

道具=愛情

なんだな、ということ。

 

こんな簡単な工夫で、コミュニケーションストレスが和らぐこと。

20年も町医者をやりながら、私は知りませんでした。

医療介護関係者でも、知らない方はたくさんいるかもしれません。

本人の‘困った’に心を配ること。

小さな工夫で乗り越えられないか想像したり、調べて、行動すること。

それが愛情なんだなと。

たとえ耳が遠くても、認知症があったとしても、家族との豊かな会話が
つづきますように。